ワキガとは、わきから特有のニオイを発する状態を指します。ワキガは医学的には腋臭症えきしゅうしょうとも呼ばれ、アポクリン腺という腺組織から発せられる汗を原因として発症します。
汗を分泌する汗腺には、「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があります。このうち、ワキガの発生に深く関与しているのはアポクリン腺です。アポクリン腺は、腋下や外陰部、外耳道(耳の中)など、限られた部位に分布する組織であり、有機物を含む汗を分泌します。
アポクリン腺から分泌される汗は、体外へと排出された時点ではほぼ無臭ですが、皮膚の常在菌(細菌)によって、汗に含まれる有機物が分解されることでニオイを生じるようになり、腋臭症えきしゅうしょう(ワキガ)を発症することになります。
ワキガが発生するかどうかは、耳垢みみあかの質が深く関与しています。耳垢には、湿っている「湿性耳垢」と、乾いてカサカサとしている「乾性耳垢」があります。このうち、前者の湿性耳垢の方においてワキガを認める可能性があります。
ワキガで生じるニオイには個人差があります。ニオイの感覚には主観的な要素も多いため、一律に表現することが難しい面もありますが、しばしば「すっぱいニオイ」や「濡れ雑巾のようなニオイ」と表現されることもあります。